旧街道ウォーク332★古代東海道[25]
[古代東海道2008その4] 「馬引沢〜府中の森」活動報告
【日時・天候】2008年4月12日(土)11:30〜17:00 晴れ
【コ ー ス】 永山駅 → 馬引沢 → 連光寺 → 関戸渡(多摩川) → 下河原 → 大國魂神社 → 宮町(武蔵国府・武蔵国衙跡) → 府中の森 → 東府中駅(9km)
【参 加 者】○片桐拓朗、△岩田清、大竹亮、梶川義実、加藤栄子、北橋伸一、児山文一、清水俊哉、高梨健一、△長澤純一、双川和子、双川華子、古里実、脇野真澄、脇野陽子(15名)(○は主催者、△は部分参加)
【概況説明】 今回も暖かい春の日差しの下、
【評価結果】 今回の区間は多摩川を境に丘陵地帯と平坦地に分かれます。古代官道らしさについては、全体の区間が最短ルートでなかったこともあり評価が分かれました。沿道風景については、春の季節で花が多く咲いていて、かつ新緑も見られたことから評価が高くなりました。古道の史跡については、打越山遺跡、大國魂神社、武蔵国衙跡を挙げた人が多く高い評価となりました。古道の案内表示の評価は普通でしたが、打越山遺跡の案内表示については多くの要望がありました。全体を通じての評価点は3.9でやや高い評価でした。
【参加者の評価結果】
1.◆全体を歩いた感想 評価点(3.86) 内訳AAABBBB
A:前半は多摩丘陵の尾根道で、ニュータウン内部ではあるもののほぼ尾根に沿っていた。多摩川を渡ったあとは、平坦地で旧道の雰囲気があり、全般に車も多くなく快適に歩けた。武蔵国衙跡は、建造物のできはともかく、このような史跡ができたこと自体が非常に心強い。
A:多摩川を渡って武蔵国府に至る区間であり、道筋自体には不明の点が残るが、数多くの貴重な古代史跡を実地体験できた。特に、府中の武蔵国衙跡は、西国分寺の古代東山道跡と並ぶ重要な遺構の公開展示である。
A:前回に比べると地形の改変が激しく古道の風情には欠けていたが、国府に参る高揚感はあった。
B:多摩ニュータウンの丘陵地から乞田川、大栗川、多摩川を渡り、武蔵国府に至る地形と街並みの変化、そして新緑を味わうことができた。
B:復元されて4月6日から一般公開されたばかりの武蔵国衙跡が最大のハイライトでした。また、打越山遺跡は、マンションになっているだけですが、古代の官道を想像することができました。
B:全体として市街化されており、古道を歩いている、という感じではなかった。
B:−
2.◆特に魅力的だったところ
○聖ケ丘2丁目付近の緑道:ウグイスも鳴き、ケヤキなどの新緑、山桜やカイドウの花などが美しく気持ち良い尾根道。
○聖ケ丘の団地:季節を感じながら生活ができそう。
○聖ケ丘の緑道:住宅地の緑の中、四季折々の花を楽しみながら、楽しく散歩することができる。
○打越山遺跡:マンションになっているが、古代の官道を想像できた。
○連光寺の旧道:桜の老大木のあった所は、旧道の感じが出ていた。(もっとも今の季節でなければ桜であることがわかったかどうか)
○高西寺への下り坂の桜の古木と庚申塔:道行く人を眺め続けてきた歴史を感じさせる。
○連光寺の畑の桜:畑の一角に桜の巨木があり、その下に石碑が多数あった。
○連光寺付近の古道:桜の大木と庚申塔などの遺構の組み合わせが古道を証明していた。
○関戸渡:下流というわけではないのに、川幅が広い分、空が大きく広がっている。
○府中善明寺:小さなお寺だが、山門や境内の佇まいに伝統の風情が感じられた。
○大國魂神社:広大な敷地、巨大な樹木、荘重な建物が歴史の重みを感じさせる。
○大國魂神社:うっそうとした緑に包まれた、深遠な空間といった趣が良かった。
○大國魂神社:荘厳にして、静寂としている。
○大國魂神社:名前にふさわしい迫力があった。
○大國魂神社:非常に古い神社で境内もけやき並木とともに立派。
○大國魂神社の巨木:神社裏のイチョウなどの巨木が迫力あり。
○武蔵国衙跡:4月6日から一般公開されたばかりでこれ以上ないタイミング。
○武蔵国衙跡:ながらく不明だった武蔵国府域が実証され、公開展示されているのがうれしい。古代におけるこの地の重要性を示しており、小さいながら貴重な施設である。
○武蔵国衙跡:奈良時代の国府の庁舎跡を確認できで良かった。大國魂神社に比べ来訪者が少ないのが残念。もっと壮大なスケールを実感できるような情報発信をしてはどうか。
○武蔵国衙跡:もっと周りも買収して、広げて欲しい。しかし、周辺住民は自分の家が史跡だとはっきりしているので、少し複雑だろう。
○武蔵国衙跡:普通の人がどれだけ興味を持つか不安ではあります。(15年ほど前にマイナーだった熊野古道が今、人気になったように、将来、各地で国衙跡が復元されるかも....)
○馬場大門欅並木:歩道空間が広いのが良い。樹木がだいぶ傷んでいるのが心配です。
○府中の欅並木:府中の顔だと思った。京王線の高架はうまく処理していて、欅との間に違和感がなかった。
○府中桜通り:すでに葉桜になっていたが、1キロに及ぶ桜のトンネルの並木道は圧巻。
○府中の森:広い敷地には雑木林があり、木登りができる木があり、大変魅力的。
3.◆古代官道らしさ(直線性、短絡性、古代史跡等)を感じましたか。評価点(3.00)内訳AABBBCD
A:直線的に多摩川へ降りるところや
A:馬引沢から聖ヶ丘への階段区間はどうかと思うが、特徴は出ていた。
B:多摩丘陵から多摩川を渡り武蔵国府へ降りていく中に直線性、短絡性を少し感じることができた。武蔵国衙の遺跡の位置を確認できたのも良かった。
B:多摩川の渡河地点が不明なので、古代道路の続き具合がよく分からない。今回歩いた関戸渡し跡から国府への直通路は中世鎌倉街道と思われる。史跡は多数存在。
B:あまり感じなかった。
C:今回歩いた道は、府中という古くからの地方中心都市を基点とする放射状道であって、古代官道の直線性とかはあまり感じなかった。後半の人見街道は直線的だったが、古代官道というよりは、やはり放射状の道のように思えた。
D:現状が宅地化しており、ほとんど感じなかった。
4.◆沿道には魅力的な風景がありましたか。 評価点(3.57) 内訳AABBBBB
A:多摩ニュータウン丘陵地の尾根道と馬場大門欅並木は、新緑がとても美しかった。
A:所々に桜が残る中、至る所で新緑の芽吹きを見ることができた。多摩ニュータウンの緑道、下河原の遊歩道、大國魂神社の欅並木、桜通りの並木道・・・緑の下を季節を感じながら歩くことができるのがすばらしい。
B:前回に続いて、沿道に、枝垂桜、八重桜、花蘇芳、海棠などが咲き誇り、うららかな陽気で春爛漫だった。蓮光寺の桜の古木もその下の庚申塔とともに風情がある。聖ヶ丘遊歩道は、新興住宅地の中にあるが、気持ちのよい素敵な道である。圧巻は、大國魂神社と馬場大門欅並木の群を抜いた美しさ。
B:市街地ではあったが、春の花が咲き零れる中を歩くことは気持ちが良かった。
B:大國魂神社、大門欅並木のその規模の大きさと豊かさは実に魅力的でした。
B:古道としての景観ではないが、多摩ニュータウン内の歩行者空間は歩きやすい
B:畑や樹木が点在していた。
5.◆沿道には古道にふさわしい史跡がありましたか。評価点(4.43) 内訳AAAAABB
A:なんといっても大國魂神社と武蔵国衙跡は、超一級で、これだけでAを付ける価値が十分あった。打越山遺跡も想像力をかき立てる。
A:武蔵国衙跡や大國魂神社、欅並木は古道を実感させてくれる史跡でした。
A:大國魂神社、武蔵国衙跡:国衙の場所が特定され、その建物の位置を示す朱色の列柱は、シュールで幻想的であった。
A:マンションが建ってしまった打越山古道遺構、参道の銀杏並木が美しい大國魂神社、公開展示施設ができた武蔵国衙跡など、第一級の古代史跡がたくさん並んでいる。
A:今は全くわからなくなってしまった打越山遺跡や、大國魂神社が古道に相応しい。
B:武蔵国府
B:道標や庚申塔などが、
6.◆沿道には古道や歴史の案内表示がありましたか。 評価点(3.00) 内訳BBBBBBB
B:馬引沢、中河原渡し、下河原、大國魂神社、細馬、武蔵国衙跡、馬場大門欅並木など要所要所にあった。ただ、打越山遺跡に案内板が欲しいところ。
B:打越山遺跡は、せめて案内板だけでも出してほしい。武蔵国衙跡の案内館には、古道に関する記述があり好感がもてる。
B:比較的多くあったと思う。ただし、マンション開発地にはそれが全くなく残念でした。
B:史跡の解説は充実していたし、特に武蔵国衙跡のパンフレットは秀逸。ただし、古道に関する説明は多くなかった。打越山遺跡にも解説板がほしい。
B:打越山遺跡はきちんと表示してほしかった。
B:−
B:−
7.◆古道を活用したまちづくりの方向について。
○古道上での開発については、歴史の記憶を呼び覚ます施設、モニュメントを作って欲しい。
○
○武蔵国衙跡は、大國魂神社と隣接している利点を生かすべき。
○武蔵国衙跡のような施設は、その自治体の歴史を語り、市民が自分たちの町に愛着を持つのに役立つと思う。大門欅並木を軸線にした街並み整備がもっと進むと良いと思った。欅並木に面して賑わいのある路線型の公開空地を提供している商業ビルは優れていた。特に4階位から上部をさらにセットバックさせ、威圧感を抑えているのがすばらしかった。
○府中はその名の通り国府所在地である。武蔵国衙の発掘、保存展示を契機に、古代都市をテーマにまちづくりを進めてもらいたい。すでに大國魂神社の欅並木などを活用した魅力的な都市空間が形成されつつある。今後は、古代東海道・東山道の発掘保存もお願いしたい。
○
○古代東海道ではないが、鎌倉街道の散歩道案内や下河原道など散策ルートの案内があり、古道を紹介している。
8.◆その他、今回の企画や気づいた点などについて。
○古代官道は、国家権力が造った道であり、地域の経済活動により生まれた道でないことをその後消えていった経緯から知ることができた。消えた道を探す企画、大変だったと思います。片桐さん、企画ありがとうございました。(M.F)
○片桐さんの担当はここまでとのこと、綿密な事前調査に基づく古代の道の推定、ありがとうございました。(J.N)
○どうもありがとうございました。毎回、娘を連れての参加ですが、皆さんに支えられ、とてもありがたく思っています。(M.W)
○今回は清水さんの故郷探訪企画でもあった。子供の頃は古代官道の存在は知らなかったと思うが、それぞれが地域の歴史を学ぶことは重要だと思った。片桐さん、1月からの入念な下調べに基づく企画、ありがとうございました。(Y.K)
○前回は「桜、桜、桜」でしたが、今回は「緑、緑、緑」で、新緑の芽吹きが随所に見られました。このように季節を感じながら歩くのは、とても楽しいことです。ちょうど一週間前に開設された武蔵国衙跡を見学できたのも、タイミングが良かったですね。無事に4回で平塚(相模国府)から府中(武蔵国府)に到着です。片桐さん、ご苦労さまでした。次回から4回は私が引き継ぎ、都内を横切って市川(下総国府)を目指します。(R.O)
■主催者より
平塚・相模国府より4回の歩きにてとうとう武蔵国府に到達しました。平塚の出発地では、国府の発掘現場に遭遇し、府中では国府・国衙跡の公開直後に遭遇するという、偶然にしてはでき過ぎの感じがあります。今回のルートは、多摩川を渡ることや
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