旧街道ウォーク329★古代東海道[22][古代東海道2008その1]「平塚・四之宮〜海老名・国分」活動報告
【日時・天候】2008年1月27日(日)11:30〜17:20 快晴
【コ ー ス】 平塚駅 →(バス)→ 稲荷前 → 四之宮 → 前鳥神社 → 湘南銀河大橋 → 寒川神社 → 倉見神社 → 本郷 → 杉久保 → 浜田 → 海老名・国分(歩行13km)
【参 加 者】 ○片桐拓朗、大竹亮、加藤栄子、北橋伸一、清水俊哉、高梨健一、高橋謙、双川和子、山根純一(9名) (○は主催者)
【概況説明】 今年の活動は、古代東海道の推定ルートを辿ることとし、今回からしばらく続けることとなりました。古代東海道については、活動案内を参照して下さい。
さて、第1回は寒い快晴のもと、平塚駅からバスで北へ向かい稲荷前下車。このあたりが相模国府推定地域とされています。バスを降りてすぐ東側の交差点脇に、相模国府跡の発掘現場があり、まさに発掘の最中でした。ここから東へ向かって歩き出し、前鳥神社へ。湘南銀河大橋で相模川を渡り
【参加者の評価結果】
1◆全体を歩いた感想
A:相模国府址から相模一之宮を経て相模国分寺址までを歩き、古代史跡や直線状の道筋など古代道路らしさを体験することができた。また、尾根道からの大山の遠望などの景色もすばらしかった。当会独自の提案の道筋であり、一部に疑問が残るが、定説の東側市境の道(比較のために後日歩いた)よりも味わい深い。
B:相模川を渡り、大山を常に見ながら北へ向かう台地上の街道であった。本郷あたりの道はなんとなく古代官道らしかった。
C:−
2.◆特に魅力的だったところ
○前鳥神社:小さいが歴史がある雰囲気。
○寒川鉄道公園:廃線後に線路が保存してあり、当時の様子を記憶に止めている。
○寒川神社:長い参道、立派な並木、広い境内、多くの参拝客など、相模一之宮にふさわしい風格を備えている。
○寒川神社:1月ということもあり参拝者が多かった。過去に来たときはいつも閑散としていたので驚いた。
○倉見神社北側:新幹線高架をくぐった先に、畑の中に細々と、しかし一直線に延々と本郷天満宮まで道が続いていたのを発見できて、一同感激した。
○本郷付近の直線上の道:平坦な台地の畑の中を北へ一直線に伸びており、西側には大山の雄姿を見ることができて気持ちがよい。
○瓢箪塚:付近の最高地点であり、360度の展望がすばらしい。大山・丹沢山系の夕ばえも絶景。
↑西寒川寒川駅跡と公園 ↑寒川神社
↑本郷〜杉久保の直線上の道 ↑海老名市内から見る大山
3.◆古代官道らしさ(直線性、短絡性、古代史跡等)を感じましたか。
A:四之宮の発掘遺跡、浜田歴史公園、国分寺址など古代史跡が多い。寒川神社前後は直線状の道であり、全体として短絡路になっているが、東名高速付近の尾根道は屈曲が激しく検討課題か。
B:前半はそれなりに古代の道らしかった。富士ゼロックス工場前で発見した駐車場の間の未舗装旧道は印象的。
C:富士ゼロックスの駐車場内の通路が古代官道跡のようで面白かった。本郷天満宮から学校に突き当たる道は、まさに一直線だった。ただし、これは近年整備された道のようで、古代官道跡かどうかは疑わしい。
↑富士ゼロックス工場横の旧道
4.◆沿道には魅力的な風景がありましたか。
A:相模川橋梁上からの富士山、本郷付近の尾根道からの大山、瓢箪塚からの見晴らしなど、広々した田園風景からの遠望がすばらしかった。
B:相模川をわたるときに見た富士山と大山が印象的。特に、2カ月前に大山に登ったのでなおさらである。また、海老名・大谷公園から見た富士山と大山は、数時間歩いただけで平塚付近で見たものと位置関係が変わってしまい意外だった。
C:寒川神社参道は十分な長さがあり、植栽も豊かで良かった。
↑湘南銀河大橋で相模川を渡る ↑寒川神社山道
5.◆沿道には古道にふさわしい史跡がありましたか。
A:平塚四之宮では遺跡発掘中の現場に遭遇し、また、沿道には前鳥神社、寒川神社、浜田歴史公園、瓢箪塚、相模国分寺址など、古代中世ゆかりの史跡が多い。
B:前鳥神社、寒川神社は非常に古い由緒ある神社であった。
C:−
6.◆沿道には古道や歴史の案内表示がありましたか。
B:神社や史跡には案内板があり、旧街道の説明もあったが、沿道には何もない。
B:平塚・四之宮付近で見た相模国府の発掘現場に驚いた。その他は、あまり案内がなかった。
C:−
7.◆古道を活用したまちづくりの方向について。
○相模国府の発掘が進めば、国府址〜前鳥神社〜寒川神社〜倉見神社〜本郷天満宮〜瓢箪塚〜国分寺址という歴史・健康ウォーキングコースを設定すると面白いのでは。
○海老名の「浜田歴史公園」があった。古代の建物柱を模したものだが普通の公園に見える。
↑浜田歴史公園内の案内図(古東海道表記あり)
8.◆その他、今回の企画や気づいた点などについて。
○今回は片桐さんの尽力で、定説(東側の市境の道)とは異なるコースを推定し、実際に歩くことができました(後日比較のために定説のコースも歩きましたが、直線状の尾根道であるものの遠回りになる点が疑問でした)。事前の文献調査、現地踏破など大変にご苦労さまでした。MLでの議論も楽しかったですね。おかげで実りある成果が得られたと思います。ありがとうございました!(大竹 亮)
■主催者より 古代官道という地味な企画でかつ平塚という遠隔地にもかかわらず、多くの人にご参加いただき感謝しています。今回は寒川神社から真北へ向かう「西側コース」を辿ってみましたが、道標などもあり、少なくとも古道であることは確信できました。古代官道の特徴が少し弱いのが難点です。次回もご期待下さい。(片桐拓朗)
↑前鳥神社