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旧街道ウォーク325★大山街道(矢倉沢往還) [その7] 「海老名〜厚木宿〜愛甲宿〜東〆引」活動報告

【日時・天候】2007929日(日)11:0018:00 曇り時々雨
【コ ス】 海老名(ビナウォーク七重塔) → 馬入川(相模川) → 厚木宿(食入) → 愛甲宿 → 糟屋宿 → 東〆引(東名伊勢原バス停)(13km
【参 者】 ○谷貝等、岩田清、大竹亮、梶川義実、加藤栄子、児山文一、斎藤健一、清水俊哉、高梨健一、長澤純一、西田敬、古里実、山川紀子、脇野真澄・陽子(15名) ○は主催者

【概況説明】
 前回到達地点の海老名ビナウォーク(七重塔前)から、雨混じりの天候の下、馬入川(相模川)に向けて真っ直ぐの道を進みました。馬入川を越える辺りで雨が強くなってきたので、厚木宿に入ったところで昼食としました。昼食後、雨は多少小降りとなりましたが、雨の中、厚木宿を馬入川に沿って南下し、東名高速を越えて直角に向きを変えて内陸に入り愛甲宿に辿り着きました。
 今回は約13kmの長丁場でしたので、愛甲石田駅で若干の休憩をとった後、先を急ぎました。白金地蔵の地点で、予定していた矢倉沢往還ルートではなく、史跡の残る江戸時代の糟谷宿を経由するルートに変更して、糟谷宿の高部屋神社に到着しました。夕闇が迫ってきたので、それぞれが先を急いだ結果、複数のグループに分かれてしまい、最終目的地の東名高速伊勢原バス停には既に真っ暗な状況の中でバラバラに到着することとなり、自由解散となりました。
【評価結果】
 
今回は、歩道がなく交通量の多い区間が多く、約13kmの長距離の行程で立ち寄り施設が少なかったことから「歩行時の安全性」、「沿道の魅力施設」は平均点以下の評価となりました。一方、厚木市内を中心に街道沿に説明板が多くあったことから毎回低い評価となる「歴史文化の表示」については、平均点を上回る結果となりました。高部屋神社等のある街道らしさが残る糟屋宿が高く評価されました。

                      
【参加者の評価結果】               *評価点A:5点、B:3点、C,D:1点として集計
1.◆歩行時の安全性(危険を感じないで歩けるか) 評価点(1.44) 内訳BBCCCCCCD
B:交通量に対応した歩道整備状況だったので、安心して歩けた。
B:海老名・厚木宿付近は歩道があり、伊勢原(宿愛甲、糟屋宿)では住宅地内の車の通行が少ない道が多い。その中間は通過交通が多く歩きにくい。
C:一部の交通量の多くて歩道の無い道を除き、安全に歩けた。
C:歩道が確保されている所、白線だけの歩道、余り危険は感じませんでしたが、場所によっては危険を感じる所も有りました。
C:歩道のある国道以外は、車の危険を常に感じた。雨だったので余計危険を感じた。
C:交通量の多い区間は歩道が整備されていたが、厚木宿の南側は歩道がなく危険を感じた。
C:
C:歩道がないところでは、危険を感じることが多かった。
D:歩道がなく、道端の道標に気を取られて車に轢かれそうになりヒヤッとした。
 

2.◆沿道景観の美しさ(目に入る風景は美しいか) 評価点(2.78) 内訳ABBBBBBCC
A:生憎の天気だったが、相模川や白金地蔵から糟谷宿辺りが非常に美しかった
B:相模川の自然景観、宿愛甲や糟屋宿の歴史景観などに趣がある。厚木宿付近は新旧建物や空き地が混在し、風情が失われた。
B:愛甲宿、糟谷宿付近は旧街道の面影が残る宿場と農村風景が残されていた。
B:糟屋宿など一部に美しい農村集落が残っていた。
B:旧道区間は農村風景が広がり、きれいだった。
B:実りの秋の収穫の田園風景が良かったです。
B:馬入川とそこにかかる「あゆみはし」。
C:相模川や糟屋宿近くからの大山街道は美しかったはずだが、あいにく天気が悪かった。
C:大山が常に意識され、それだけで沿道の景観がよく見えてしまう場合もあれば、逆に大山を損なっていて、普通より悪く見えてしまう場合もあった。

3.◆沿道の魅力施設(立ち寄りたい場所が多いか) 評価点(1.67) 内訳BBBCCCCCC
B:沿道には多くの寺社があり楽しめた。
B:厚木宿のとん漬、宿愛甲の和菓子、糟屋宿の神社など、そこそこ点在している。
B:創業が何故か皆同じ老舗に魅力を感じました。
C:厚木も伊勢原も、古くからの神社仏閣などがあって、まあまあ良かった。
C:歴史のある神社・仏閣が多かった。
C:残念ながら立ち寄りたいところは少なかった。
C:あまりなかった
C:余りなかった。
C:特になし 

4.◆総合評価 評価点 (2.56)内訳BBBBBBBCC
B:相模原台地の郊外住宅地から相模川を渡り、低地の農村地帯の道になった。宿場や集落風景が美しく、大山も間近に見えて、風情が増してきた。
B:相模川と小鮎川、中津川の合流部分の渡し場や、厚木宿に残る古いさびれた商店街に味わいがあった。
B:愛甲宿や糟谷宿付近の街道の雰囲気が良かった。伊勢原市内は、大山道をはじめとして多くの街道が網の目のように通っていることが実感できた。
B:遺構や地元自治体による標識も多く、街道歩きを楽しめた。天候がよければもっと良かった。
B:美しい田園風景の中、すすきや稲穂を楽しむことができた。
B:雨の為傘をさして視野が狭くなりましたが、寒くも無く暑くも無く、丁度良い歩きとなり、雨で中断する事もなく、無事にゴール出来たのは良かったと思います。
B:
C:全体的に見所が少なかった。
C:

5.◆特に印象に残ったところとその理由(いくつでも)
○河原口の七曲りの道標兼庚申塔:全く予想していなかった所に旧街道の証拠を見つけてうれしかった。

○馬入川:相模川の土手の並木道が印象的で桜の咲く頃に再び訪れてみたいと思いました。
○相模川の風景:桜並木の堤防から広い河原と蕩々と流れる水を眺めるのはすばらしい体験。水につかっての鮎漁も季節を感じさせる風物詩。

○厚木の渡し場:相模川と小鮎川、中津川が合流して蛇行する部分に渡し場があったことが印象的。

○「厚木の渡し」碑と「渡邊崋山来遊記念」碑:厚木宿は記念碑がないと面影が分からない。

○厚木宿:厚木の大山街道沿道の寂れ具合がとても気になった。現在の街道の位置と駅との関係から止むを得ないのだが、それにしても寂れていた。
○厚木宿:厚木の商店街がさびれていて、古い「ヰセキ」が眼にはいった。高い建物がないため空がとても広く感じた。
○厚木宿:シャッターが下りたままの商店がさびしかった。
○最勝寺にあった鮮やかな原色の花:きれいな花で印象に残った。名前が知りたい。
○愛甲石田付近:ひなびた集落風景から、懐かしい旧商店街へつながり、センスの良い郊外駅前に至るシークエンスが心地よい。
○糟屋宿:街道らしい佇まいの集落だった。

○糟屋宿の高部神社:茅葺き屋根の延喜式社殿には、その立派さにびっくりした。
○高部屋神社:さすが延喜式内社。

○高部屋神社:茅葺きの建物が大変美しい
○普済寺の市内最大の多宝塔:徳川幕府が文化年間に北方防備の鎮めとして蝦夷地に三官寺を建てたことがわかった。
○太田道灌の墓:糟屋館で主君に暗殺されたとは。
○地元の方の話:糟屋宿の手前でたまたまお会いした地元の郷土史家らしき方に、街道のルートや見どころなどを教えていただいた。短い時間だったが、とても有益な情報が詰まっていた。
○神社の鐘楼:岡田三島神社、高部屋神社の境内に寺にある鐘楼と同じような鐘楼があったが、他にはあまり例がないと思う。
○道中で顔がなかった仏様(戦後の神仏棄却)に何度も出会って心が痛んだ
○野菜のオクラの大きかったのにはびっくりしたのとその花のきれいなのに感激。

6.◆江戸時代や街道らしさを感じたところとその理由(いくつでも)
○厚木宿:相模川に沿って長い宿場だが、往空き店舗や空地が多く、建替えも進み、往時の繁栄の面影はわずかである。とん漬や人形店に老舗の並ぶかつての姿がしのばれる。
○厚木宿:すっかり寂れた商店街だけれども、ぽつりぽつりと老舗のお店が残っている。
○厚木宿:商店街としては寂れていたが、老舗もあり表示も充実していた。
○「烏山藩厚木役所跡」碑:享保13年(1728)下野国烏山城主大久保常春の所領となったということに江戸時代の時代背景を感じた。理由を知りたいと思う。
○宿愛甲:道が狭くなり、農家や地元の商店が並ぶ人間的スケールの街に入った。それまでの、農地と住宅と工場倉庫が混ざったような殺伐とした風景に比べ、妙に安心できた。
○糟屋宿:農家屋敷がきれいに維持管理されている。茅葺きの高部神社も素晴らしい。
○糟屋宿:台地の尾根に並ぶ旧道集落であり、土蔵や黒塀など、街並みも美しい。高部屋神社の境内には樹木が鬱蒼と茂り、深閑とした風情である。
○糟谷宿 立派な旧家の町並みが残っていた。
○高部屋神社:茅葺の総欅造りの拝殿がとても素晴らしく思いました。
○せきどめ地蔵周辺:畑や丘、小道や小川などが凝縮されていて、そこそこ良かった。

7.◆沿道の歴史文化の表示について(史跡や街道について適切に解説がありましたか) 評価点(3.0) 内訳AABBBBBCC
A:特に厚木市は充実していた。御影石の道標は後年、読みづらくなるので何らかの対策を期待したい。
A:表示はたくさんあった。
B:厚木宿の「あつぎの文化財獨案内板」はよかった。渡邊崋山が厚木六勝図を残したこともこれで知った。
B:史跡については表示が多かったが、街道については路線として明示した解説は見あたらなかった。
B:石塔の案内解説がたくさんあった。彫った文字が小さく読みずらいのが残念。
B:厚木宿付近には説明板が多くあったが、多くの街道や石塔等が点在している伊勢原付近での説明が少なかった。
B:いたるところに解説板があった。
C:古くて消えかけており分かり難いものも有りました。
C:

8.◆今回の企画についての感想など(自由記入)
○今回は天候不順だったが、小雨に煙り蕩々と流れる水量の増した相模川の雄大な風景には圧倒された。川の中での鮎漁が彩りを添えていた。その先相当長い行程で、土地利用が混乱した近郊風景が続いて疲れが増したが、宿愛甲に入って懐かしい風景の心地よい道になり、その先かなりの行程を歩く元気が出た。夕闇迫る道を急いで一時は迷いかけたが、日没後に東名高速下の〆引に到達したときは感激だった。高速バスに乗るとわずか40分で池尻大橋に着いたのには驚いた。次回はいよいよ大山詣で!頑張りましょう!(R.O)
○雨模様の天候の中で13kmの道のりは長く感じられ疲れました。後半は見所があったにもかかわらず、ゆっくり味わって歩くことができずもったいなかった。しかし、距離を稼いだので次回はじっくり大山を堪能できそうで楽しみです。(M.F)
○やはり、長丁場の上に雨に降られると、全体的に散漫になりますね。ただ、もう目の前が大山というだけで、心は躍っていました!(T.S)
○雨で傘をさしての歩きとなりましたが、大山が射程距離に入り気持ちは快晴、でも、日没も早くなり、暗闇のゴールは少し辛かったです。(N.Y)
○冷たい雨の中、また終盤は日も暮れ、メンバーも分散してしまいましたが、〆引に到着した時には達成感がありました。娘もよく付き合ってくれました。帰りの東名高速バスは非常に快適。次回最終回非常に楽しみにしています。ありがとうございました。(M.W)
○天候も良くなく、しかも距離が比較的長めでしたが、だんだん大山が大きく見えてくると、歩く元気も出てきました。しかし、咳止め地蔵から先が長かったです。次回が楽しみです。それにしても、帰りの東名高速バスは速かった。(Y.K)
○糟屋宿で、皆さんとはぐれ、咳止地蔵の先で三度も道に迷ってしまい、東〆引にたどり着いた時は、真っ暗でした。皆さんにご心配をおかけしました。(I.H.)
○久しぶりにメンバーに会えてうれしかった。(E.K)

主催者より
 今回も、前回に引き続いて雨交じりの天候となってしまいました。しかも今回大山街道(矢倉沢往還)企画で最長の13kmの行程で、後半は日が傾き先を急いだ為、折角の街道風景や史跡等を十分に楽しむことができませんでした。糟谷宿付近や歩く予定であった山沿いの旧大山街道など、機会があればもう一度歩いてみたいと思います。
 伊勢原市内に入り、大山道をはじめとする街道が縦横に走り、あちらこちらに石像などがありましたが、道路整備等で簡単に移動させられ、無造作に置かれていたのは残念に思いました。
 いよいよ次回は、最終回で大山阿夫利神社下社に向かいます。是非ご参加下さい。(谷貝 等)

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