旧街道ウォーク319★大山街道[その4]「溝の口〜荏田宿〜江田」活動報告
【日時・天候】2007年4月21日(土)11:10〜16:50 晴れ
【コ ー ス】 溝の口 → 宮崎台 → 宮前平 → 有馬 → 牛久保町 → 荏田宿 → 江田駅(8km)
【参 加 者】 ○谷貝等、岩田清、磐田利江子、大竹亮、梶川義実、片桐拓朗、加藤栄子、北橋伸一、斎藤健一、△清水俊哉、高梨健一、高橋謙、千川明、長澤純一、古里実、水谷晴子、谷貝葉月、山川紀子、脇野真澄、脇野陽子(20名) (○は主催者、△は一部区間参加)
【概況説明】
大山街道(矢倉沢往還)第4回は暖かい晴天の中、溝の口の庚申塔前からねもじり坂を登り、梶が谷の旧道をぬけて246号新道を交差し宮崎の大塚へ寄りました。その後、小さい川を渡るために谷へ下り再び登って宮崎台へ。
ここで昼食+電車とバスの博物館を見学。さらに宮前平の八幡神社へ詣でたあと住宅街を抜けて観音堂跡を横に見ながら川崎・横浜市境へ進みました。
横浜市内に入ると眺望が開け、ここに残る細い旧街道を進み、造園/皆川園さきの農産物直売場で小休止。遠くに大山を望みながら開発の進んだ港北NT周辺地域を行きました。
周りが開発されても未だに残る不動の滝を見たあと荏田宿へ入り、246号新道脇の旧道沿いにある古い農家の佇まいを見ながら江田駅へ到達し終了となりました。
【評価結果】
今回の区間は、主要幹線道路はほとんどなく、旧道と住宅地内の道路がほとんどでした。歩行の安全性、沿道景観の美しさはあまり高くない評価になりました。一方、沿道施設の魅力についての評価は低く、電車とバスの博物館は好評であったもの、その他の施設が少なく低い結果となりました。
また、歴史文化の表示についても表示そのものが少なく、評価は低い結果となりました。総合的には平均よりかなり低い評価点(1.57)となりました。
【参加者の評価結果】
1.◆歩行時の安全性(危険を感じないで歩けるか) 評価点(2.06) 内訳BBBBBBBBCCCCCCC
B:比較的危険を感じないで歩けた。
B:車の往来が少なく歩きやすかった。
B:街道らしい区間は道が狭かったが、自動車、自転車とも少なかったので、危険は感じなかった。
B:歩道の無い道路も、自動車の交通量が比較的少ないため、安全に歩けた。
B:溝の口から梶が谷にかけての区間は車道も狭く、安全性は低い。その他の区間は、歩道が整備されている、もしくは交通量の少ない道であり比較的安全である。
B:溝の口〜ねもじり坂辺あたりは、歩道もなく危険を感じた。
B:自動車通過が多く、危険な箇所もあったが、概ね歩きやすかった。
B:住宅地内の静かな道が多かったが、溝の口付近と荏田宿付近には、歩道がないのに車がかなり多く通る箇所があった。
C:それほど車は多くはないが、工事箇所が多かった。
C:多少車が気になった。
C:歩道の無い区間は、車の交通量もあり危険を感じた。
C:梶が谷付近、荏田宿付近の旧街道は歩道がなく交通量も多く歩いていて危険を感じた。
C:場所によっては歩道が狭くなり少し歩きにくかった所も有りました。
C:旧道の部分が多かったので昔の面影、雰囲気を感じるところが出来たが、道幅は比較的狭く、歩道も頼りないところも多かった。旧道の宿命みたいなのかもしれない。
C:−
2.◆沿道景観の美しさ(目に入る風景は美しいか) 評価点(2.47) 内訳ABBBBBBBBBCCCCC
A:落ち着いた住宅地に新緑や色とりどりの花がきれいだった。皆川園付近の見晴らし、荏田宿の山を背にした農家群などすばらしい。
B:大きな桜の並木や新緑は美しかった。
B:道にアップダウンがあり、それぞれの景観を楽しめた。
B:丘陵地帯であるので、尾根の上からの風景はよかった。また変化が激しい。
B:アップダウンがきつかったが、高台からの眺望を楽しむ一時は疲れを忘れさせてくれる。
B:落ち着いた住宅街と所々農地が残っており、歩いていて心地良かった。
B:街道らしくて美しい所は少ないが、宮前平駅からの登り坂の旧家や皆川園は緑が美しかった。
B:民間の比較的規模の大きい住宅地開発が広く行われていた。そのため、個々の住宅の水準も高く、沿道の景観も良いところが多かった。
B:丘陵部の住宅地は、敷地規模も比較的大きく、手入れの行き届いた植栽をしている。
B:国道246号、田園都市線に沿ってバラバラに開発が進み統一的な景観が形成されていない。団地を抜けたあすみが丘の植木屋からの緑の風景、荏田城を背景に並ぶ荏田の農家の佇まいが良かった。
C:マンションが多い。新緑が美しかった。
C:高台になると風景が一望でき良かったです。
C:随所に藤、八重桜、牡丹など春の花があったのと皆川園はきれいだったが全体を通して美しいとは言えない。
C:評価のしにくいところです。街道の雰囲気を評価するのか、起伏の多い道で高台からの展望が良いところを評価するか?
C:−
3.◆沿道の魅力施設(立ち寄りたい場所が多いか) 評価点(1.53)内訳ABBCCCCCCCCCCCC
A:電車とバスの博物館が楽しい。時間が足りないくらい。
B:「電車とバスの博物館」や「皆川家」など良かった。
B:史跡や歴史的街並みは、やはり少なかった。電車とバスの博物館は、旧街道から現代に至る交通の変遷を学ぶ意味で魅力的だった。
C:たぶん当時は小さな部落が点在していたものだと思われる。子育て地蔵、観音堂跡、庚申塔などが多いのは昔の人々の素朴な営みが偲ばれる。
C:悪いとまでは言えないが、神社仏閣などは少なかった。荏田の町が明治に焼けてしまい、何も残っていないのは残念。
C:総じて見所は少ない。
C:寺社が少なかった。
C:造成地が多くあまりなかった。
C:旧街道らしいものは、あまりなかった。
C:旧街道として立ち寄りたいところは少なかった。
C 改変されたところも多く、立ち寄りたい場所は多くはない。
C:今回区間は、沿道に昔ながらな商業施設など残されておらず、魅力に欠けた。途中、農家の直売場で採れたての野菜が買えたのは良かった。
C:興味を感じたところが少し。
C:−
C:−
4.◆総合評価 評価点(1.93) 内訳BBBBBBBCCCCCCCC
B:道や施設ともそれなりに楽しめた。
B:個々の評価と違いますが、全体の感じとして良かったと思います。
B:作られた町の部分が多く、旧道らしさを感じられる部分は少ない。
B:都内とは全く風景が変わった。やはり地形の影響ではないか。
B:丘陵地に入り、起伏が多くなった。全体として戦後開発された郊外住宅地であり、旧状をとどめるものが少ないのが残念だが、皆川園から荏田宿付近には昔の風情が感じられた。
B:宅地開発が進んでいるが、あゆみが丘あたりは、旧道の雰囲気が残っているしアップダウンのきつい多摩丘陵、歩いてみると地図ではわからないものを肌と足で感じることが出来た。
B:−
C:旧街道としての魅力は今ひとつであったが、丘陵地の住宅地を川崎市側から登り、尾根から横浜市側に入る街並みの変化を知ることができた。
C:アップダウンが激しく変化はあったが、街道としては魅力に乏しかった。
C:ねもじり坂、あゆみ坂、アップダウンが沢山有り、景観も高台から望むところが多く、皆川家のところから一望した眺めが印象的でした。
C:街道らしさが残っている区間が少なく、開発による自然景観の破壊が進んでいて全体的に魅力に欠けた。
C:全体的に、旧街道らしさはあまり感じられなかった。
C:街道という観点からは、魅力はあまり無かった。上下が多く、大山詣での苦労を偲ぶことができた。
C:−
C:−
5.◆特に印象に残ったところとその理由(いくつでも)
○宮崎大塚:地元で大切にされているようであったがいわれが良く解らず不思議な空間だった。
○宮崎の大塚:なんだかわからないのが面白い。
○宮崎大塚:とても不思議な存在。作った目的や経緯を知りたい。
○宮崎の大塚:まるで個人住宅の敷地にあるようであった。
○電車とバスの博物館:いつか孫と一緒に・・・。
○電車とバスの博物館:おもしろかった!!
○電車とバスの博物館:子供たちが楽しそう。昔の子供達も遠慮がちに楽しんでいました。
○電車とバスの博物館:S40年代に、田園都市線で長津田のこどもの国によく遊びに行ったことを懐かしく思い出しました。定期券売り場と切符売り場も懐かしい。
○電車とバスの博物館:東急に関するイメージがUPした。今度はぜひ、シミュレーターにチャレンジしたい。
○電車とバスの博物館:思ったより嵌ってしまい童心に返って楽しみました。
○電車とバスの博物館:昔の駅や電車の様子が実感できて懐かしい。
○庚申坂:下り坂が一直線に続いて、昔の街道を想像できた。
○鷺沼の阿弥陀堂:元禄元年(1688)という古い銘のある石造阿弥陀立像に気品と慈愛を感じた。
○鷺沼付近の住宅地:広い敷地に新緑が美しく、すばらしい住環境。
○牛久保町の旧道:20年前と変わらぬ風景が残っている。やはり市境のせいではないか。
○有馬9丁目と牛久保の市境の高台からの景色:1998年10月に歩いた頃に比べ宅地開発が進んだ様子を目で確かめることが出来、寂しさと懐かしさがある。
○皆川園:手入れの行き届いた植木がきれいで、見晴らしもよかった。
○皆川園:住宅街を抜けると突然緑の谷が開け驚いた。
○皆川家:まわりの開発が進む中突然田舎がある感じ。
○皆川家:山から見下ろす景色が素晴らしく、気分転換のいいタイミングであった。
○皆川農園とその周辺:あの一帯は、市街化調整区域になっているのでしょうか?まるで時間が止まっているようで、心が休まるのを感じた。
○皆川園からの眺め:田舎に迷い込んだような錯覚を覚え、突然目の前に開けた眺望に驚いた。
○皆川園:あの区間の道幅が当時のものであったとしたら、詣でる人で結構混雑したかもしれない。
○皆川家の植木畑に入る地点:川崎市側の住宅地を登り、尾根から見る横浜市側の景色が大きく変わり、新鮮。
○皆川園からの見晴らし:尾根の上から横浜市側の未開発地を通して、彼方に港北ニュータウンを望む風景が印象的。
○皆川園付近の野菜市:近在の農家が持ち込むやすくて新鮮な作物。
○あゆみが丘の植木屋からの景色:住宅団地の中からいきなり別世界に飛び出したような一面の緑の景色が開けた状況は感激的だった。
○不動の滝:周りが開発されても残る神聖なる滝(?)
○不動の滝:旅人が一息ついたと思われる潤いを感じた。
6.◆江戸時代や街道らしさを感じたところとその理由(いくつでも)
○ねもじり坂(はらへり坂)から子育て地蔵付近
○溝の口から上るねもじり坂:後生の自動車道路が迂回したほどの急坂に、街道らしさが光る。
○子育て地蔵、地蔵堂:今も花が飾られ大切にされている。
○庚申坂:下りが一直線に続いて、昔の街道を想像できた。
○皆川家付近
○皆川園付近の道:市境の峠を越える尾根道が、いかにも街道らしい。
○皆川農園を通る大山街道:道幅といい周囲の自然といい、本当に江戸時代の街道を歩いているようだった。
○不動の滝:今もわずかであるが枯れず水が流れ、往時の旅人達の貴重な水源であったことを偲ばせる。
○不動の滝:滝の上には寺もあり非常に良い雰囲気であった。
○不動の滝の湧水:回りの風景は一変したが、ここだけが昔と変わらずに存在する。
○不動の滝
○不動の滝付近
○荏田下宿の庚申塔付近
○荏田中宿の常夜燈:個人の庭の中にあるのが不思議。
○荏田宿常夜燈:民家の塀の中に常夜燈があったのが珍しく思いました。
○荏田宿の街道沿いの家々:立派な家が多く残っていて、旧街道らしかった。
○荏田周辺:蔵のある農家が点在していた。
○荏田の農家:荏田城を背後に並ぶ豪農の風格と佇まいが良かった。国道246号のルートが少し外れて開発を逃れたのは幸運であった。今後ともこうした歴史的風景を残してほしい。
○荏田宿の山を背にした農家群:広い屋敷に豪壮な建物が並んでいる。見事な蔵や作り込んだ生垣も美しい。
7.◆沿道の歴史文化の表示について(史跡や街道について適切に解説がありましたか)評価点(1.57) 内訳BBBBCCCCCCCCCC
B:それぞれコメントがあり、概ね理解できた。
B:ところどころに解説あり。荏田・小黒の庚申塔には手書きの立て札があった。
B:大山街道に関する表示はほとんどなかった。
B:−
C:立場皆川家やうとう坂などの解説がほしかった。
C:寺社が少ないこともあるが、解説等が少ない。
C:説明書きが少なかった気がしました。
C:既に道が無くなっているところもあることから、せめて現存する旧道ルート部分については、もっと旧大山街道をアピールして欲しい。
C:大山街道に関する表示、文化遺産の解説などあまり説明がなかった。
C:大山街道に関する表記はほとんど見なかったと思う。
C:殆どなかったように思う。
C:解説は少なかったように思えます。
C:街道自体が旧状をとどめないだけでなく、歴史文化の表示も少なかったのは残念だった。
C:−
8.◆今回の企画についての感想など(自由記入)
○市街地化していて、旧街道の情緒はほとんど感じませんでしたが、ねもじり坂、庚申坂、八幡坂、うとう坂などの名前の残る起伏に富んだ道は、変化があってよかったと思います。天気にも恵まれ、藤、八重桜、牡丹、ツツジ等咲き誇る春の花が美しく、新緑も目に鮮やかでした。(J.N)
○アップダウンが多かったが、暖かく気持ちよく歩けた。川崎市から横浜市に入ったところの皆川造園の景色は驚きだった。新緑の季節であり、木々の緑がいろいろなニュアンスで美しかった。(S.K)
○毎回谷貝さんが 事前調査しておいてくださるので、大変感謝しております。今回は比較的距離も短く、早めに目的地に到着できたので、恒例の打ち上げにも、14人の参加があり楽しい1日でした。(K.I)
○初めて、旧街道ウォーク・大山街道(矢倉沢往還)に参加させていただき、大変楽しい1日を過ごせました。事務局の皆様ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。(K.T)
○私は今回、溝の口から宮崎台までは、皆さんを追って一人で歩きました。その時改めて思ったのは、一人で歩くのも悪くは無いのですが、やはり皆さんと意見交換しながら歩く方が、ずっと面白いということです。昔の様子への想像が膨らんだり、新たなことに気づいたり、こういう活動はいいものだなと再認識しました。(T.S)
○川崎市から横浜市の市境が丘陵地の尾根になっていること、旧道の残され方が開発時期によって違うことを実感しました。古くから住んでいる地元の方の暮らしぶりが今もかいま見える景色にやはり味わいがあると感じました。(M.F)
○横浜産ネギは、すき焼きに最適! 墓地開発されずにまた購入できることを祈ります。(H.Y)
○上り下りが多い一日でした。住んだらたいへんそう。(E.K)
○一気に丘陵地に登り、アップダウンを繰り返しましたが、私にとっては見慣れた地形です。このあたりは、まだ昔の地形が残っているので、旧道の推定も比較的楽だと思います。もっと最近の宅地開発は、地形ごと変えてしまうようで残念です。(T.K)
○1998年10月に歩いた頃に比べ、有馬〜牛久保あたりの宅地造成が進んだ様子には一抹の寂しさと、かつての景色を歩いたという懐かしさが混在し、不思議な気持ちになった。アップダウンはきつかったが、好天に恵まれた多摩丘陵を気持ち良く歩くことが出来た。ありがとうございました。(M.W)
○電車とバスの博物館が予想以上におもしろかった。毎回、コーディネーターの思い入れの感じられる、「電車つながり」のコースとなっていて、旧街道を歩きながらも電車も楽しめて、とてもおもしろいです。(H.M)
○街道らしさは、さほどなかったが、地形の険しさを感じることができた。この先が楽しみになってきた。信心だけで、大山詣でをするとは考えにくいので。(Y.K)
○電車とバスの博物館が想像していたよりユニークで、現在に至る東急電鉄の路線のあゆみが印象に残りました。途中で農家の野菜即売で求めたプチベールが食卓で好評でした。美味しかったですね。(N.Y)
○江戸城出発から武蔵野台地、多摩川低地を過ぎ、今回から多摩丘陵にさしかかりました。大部分が戦後開発された多摩田園都市のエリアで、旧状をとどめる箇所は少なかったのですが、それでも花と緑の住宅地や峠越えの尾根道、宿場の農家群に風情が感じられ、楽しい街道ウォークになりました。途中で立ち寄った博物館も面白かったです。谷貝さん、ありがとうございました。(R.O)
主催者より
多摩川を越えて多摩丘陵を横断する区間に入り、ほとんど平坦な区間がないアップダウンの激しい行程になりました。大山街道のルートも、旧街道ルートは開発により一部寸断され、現国道246号に移り変わるまでの経緯として、宮崎大塚前、鷺沼駅前など、旧街道ルートと現国道246号を繋ぐ道路を見ることができました。
次回歩くルートは、開発が進んだ区間でかなりの部分で旧街道ルートが消失しています。昔の地図と比べて旧街道ルートを確認しながら歩きたいと思います。(谷貝 等)
←溝口駅前での集合写真