旧街道ウォーク318★大山街道[その3]「三軒茶屋〜(新道)〜溝の口」活動報告
【日時・天候】2007年3月17日(土)11:20〜17:00 曇りのち晴れ
【コ ー ス】
三軒茶屋 → 中里 → 桜新町 → 用賀 → 瀬田 → 二子の渡 → 二子橋 → 大山街道ふるさと館 → 溝口神社 → 溝の口(9km)
【参 加 者】
○谷貝等、伊藤貴敏、岩田清、大竹亮、梶川義実、片桐拓朗、加藤栄子、加藤伸子、北橋伸一、斎藤健一、清水俊哉、高梨健一、△野村安久、古里実、山川紀子、△脇野真澄、△脇野陽子(17名) (○は主催者、△は一部区間参加)
【概況説明】
今回は曇り空の中、キャロットタワー生活工房ギャラリーに集合し、折から開催の「玉電100周年記念イベント」を見学しました。
その後、地元に永くお住まいの野村さんのご案内で大山街道新道から中里通り(旧道)へ向かいました。
新道へ戻り真中交差点を過ぎ、駒沢から旧玉川通りへ。
新町、桜新町の商店街を抜け旧玉電軌道跡の道を見ながら用賀へ。
ここで前回の旧道ルートに合流しましたが、再度、延命地蔵で前回ルートと分かれて瀬田へ。
ここから一気に国分寺崖線を降りて二子の渡で多摩川へ到達しました。
旧二子橋を渡ったあと、川崎市内の大山通り商店街に入り、大山街道ふるさと館で小休止ののち溝の口の庚申塔前で終了となりました。
【評価結果】
今回の区間は、前半は主要幹線道路と旧道の混在、後半は狭い旧道の区間でしたが、歩行の安全性、沿道景観の美しさとも低い評価になりました。
特に川崎市内の旧道区間で、安全性の評価が下がったためです。
一方、沿道施設の魅力についての評価は平均的で、神社や商店街などが好評でした。
また、歴史文化の表示については高津区内が好評ではありましたが、評価は低い結果となりました。
総合的には平均よりやや低い評価点(2.60)となりました。
【参加者の評価結果】
1.◆歩行時の安全性(危険を感じないで歩けるか) 評価点(2.60)内訳AABBBBCCCC
A:主要道路なので歩道もしっかりしているし、旧道も安心して歩きやすかった。
A:歩道が概ね整備されており、危険を感じることはなかった。
B:玉電が通っていたところでもあり歩道の広いところが多く、歩道のないところも含め比較的安全に歩けたように思います。
B:六郷用水沿い及び川崎市内は交通量が多い。
B:前半は歩道が整備されていたが、用賀から瀬田と川崎市内にかけては歩道のない区間があった。
B:都内はほぼ歩道があって安全であるが、高津・溝の口付近は歩道のない商店街を車が通過して非常に危険。
C:溝口宿の区間は歩道が設置されておらず、交通量も多く歩いていて危険を感じた。新町付近は歩道幅員が広く快適に歩けた。C:三軒茶屋〜駒沢大学駅の246号は、自転車交通量にくらべ歩道が狭く大変歩きにくい。
D:川崎市内の大山街道は車の通行量が多いのに歩道がないので。
D:246の歩道が狭く自転車も多いことと、二子新地から溝口までの区間が歩道もなくて車が多いのでD評価です。
2.◆沿道景観の美しさ(目に入る風景は美しいか) 評価点(2.40)内訳BBBBBBBCCC
B:評価のしにくいところですが、瀬田の夕日坂、多摩川の両岸の眺めが大変よかった。
B:桜新町周辺や溝口周辺には旧家が残っていて趣がある。
B:レトロな中里商店街、お洒落な桜新町商店街、多摩川段丘上の瀬田住宅地、溝の口の沿道旧家群など、それぞれに美しい一角が多い。
B:自然景観と歴史的景観が残されている。
B:246号から外れた区間は街道らしさがあった。特に瀬田付近は景観的にも良いと思う。
B:玉川通り(新道)沿いはやはり風景がよくない。世田谷区内の後半区間はまずまずである。
B:高速道路が頭上を通る玉川通りは、空がなく圧迫感がある。
C:高速高架と並行する部分はとても美しいとは言えませんが、国分寺崖線付近は良かったと思います。
C:国分寺崖線一帯は美しいのですが、全線を通して見るなら、美しいというほどの景観はなかったように思う。
C:瀬田夕日坂からの夕焼けをぜひ見たかったです。
3.◆沿道の魅力施設(立ち寄りたい場所が多いか) 評価点(2.80)内訳ABBBBBBBCC
A:新町付近の職人気質の商店、桜新町の個性的な店舗、多摩川段丘上からの眺望、多摩川旧堤の閘門、宿場町の風情残る高津・溝の口の老舗群など、小粒ながらきらりと光るものが多い。
B:寺院仏閣もあり、街道らしさもそれなりに感じられました。
B:活気があって、古い店もある桜新町の商店街に好感が持てました。
B:魅力ありそうな商店があちこちにあった。
B:商業施設(飲食系)には魅力的な店が多かった。川崎市内に入っても、よかった。
B:寺社は少ないが、旧家が比較的残されている。
B:神社、お寺はそれほど多くないが、道標等は多い。よいお店が多い感じを受けた。
B:神社仏閣は少ないものの、商店街や住宅地が興味深かった。
C:大山街道ふるさと館の常設展が見られなかったのは残念です。
C:やや少なかったように思います。大山街道ふるさと館は、全体に圧迫感の強い建物であまり良くない。
4.◆総合評価 評価点(2.60) 内訳BBBBBBBBCC
B:玉電の線路敷きの面影を感じられる旧道沿いが歩いていても良かったと思います。
B:寺社は少ないが、沿道に旧家が比較的多く、国分寺崖線からの景観も良い。
B:都市的な地域から、自然が残る多摩川周辺、歴史的風情が残る溝口宿まで変化に富んだコースであった。
B:歩道がない区間のほうが自動車交通量が少なく、その上、街道の風情も残っていてよかった。中里付近や二子新地から先の大山街道は、センターラインを消して歩道を広げたほうが、商店街として生きると思う。
B:駒沢までの国道246の区間は魅力に乏しいが、それ以降の旧道区間は、広い道、狭い道ともおもしろかった。
B:246号を部分的に歩かなければならないので、評価がしにくい気がしました。
B:二子新地でリタイアしたため、川崎市内を歩けずに残念だったが、職人気質の店が並ぶ世田谷新町付近、行善寺の国分寺崖線からの展望、瀬田の住宅地、多摩川が魅力的だった。
B:都内の台地上の落ち着いた住宅街と、多摩川を渡った後の庶民的な商店街の風景の対比が印象深い。沿道各地に職人気質の老舗店舗が点在しており、街道の趣きを感じさせる。
C:せっかく玉電の写真展を見たのですが、現地でイメージがうまくつかめませんでした。
C:−−
5.◆特に印象に残ったところとその理由(いくつでも)
○野村さんの解説:玉電時代の中里地区の繁栄ぶりなど、貴重な話が聞けて大変良かった。大山講が今も続いていることが解ったので、大山まで歩く元気が出た。
○中里通りの商店街:古くて親しみやすいお店が残っている。
○駒沢給水所 :−−
○新町:店構えも昔かたぎな職人気質漂う、蒟蒻白滝屋、豆腐屋、畳屋、米屋は、都会では懐かしい風景である。
○桜新町の蒟蒻屋:古い店構えで蒟蒻だけを売ってるお店があるとは知りませんでした。
○桜新町周辺:地元に根付いた歴史のある商店が意外に多い。
○桜新町商店街:広い歩道にお洒落なお店が並ぶ明るい街。昔は地味な街だったが、20年ぶりくらいに歩いて変貌に驚いた。
○サザエさん通り:商店街が元気でサザエさんの絵も楽しそうに見えました。
○グレラン製薬付近:用賀に向かって緩やかに下る玉電専用軌道の面影が残る貴重な場所。
○瀬田の旧玉電の通り:並木の雰囲気がよい。
○行善寺からの風景:玉川八景の一つと言われている行善寺からの風景は非常に雄大である。
○行善寺から見る国分寺崖線:マンションの間から見えかくれする崖線の緑が健気に感じました。
○行善寺:国分寺崖線上からの景観は迫力がある。
○瀬田の国分寺崖線の眺め:崖の高さと連続性がよくわかる
○瀬田夕日坂:冬の夕焼けは絶品だと思います。
○瀬田夕日坂:−−
○瀬田の住宅地:多摩川段丘上の超高級住宅地で、眺望が非常によい。瀬田交差点から入る田園都市線線路上の並木道もいい。
○二子玉川再開発地区:昔の遊園地(二子玉川園)を種地に駅前までの一帯をすべて再開発する規模の大きさ(全国最大級)に驚いた。
○二子の渡し:−−
○二子橋:多摩川の橋としては古いので、高さも低くトラスもなくすっきりしている。
○二子橋:河川を渡る橋を歩くことは、旧道歩きの楽しみの一つ。歩行者・自転車が多かった。
○岡本かの子文学碑:必ず何百年も後世に残すべきものです。
○宗隆寺:街道から少し入っただけだが閑静で落ち着いている。
○溝の口周辺:大山街道沿いに古い商家が点在している。
○溝の口駅周辺:水路上の商店街に庶民的な味わいがあった。「昭和20年東京地図」の世界である。火事になった部分は再建できるのだろうか。
○溝の口駅前の立ち飲み屋:土曜日の夕方にもかかわらずたくさんの人だかり。焼き鳥とお酒が美味しそう。
○二子・溝口の宿場内:ついつい買って食べたくなるような和菓子屋とか総菜屋がなかったこと。
6.◆江戸時代や街道らしさを感じたところとその理由(いくつでも)
○中里通り(旧大山街道):−
○中里通り:旧道の雰囲気がありました。
○中里商店街:生活感のある商店街で、レトロデザインの建物も残る。
○蛇崩川緑道、新町付近、行善寺付近:風情があった。
○新町商店街:蒟蒻屋、畳屋、蕎麦屋、米屋など、昔ながらの職人仕事を大切にするお店がいくつも並んでいる。下町のような光景。
○二子の渡し跡:大きな川を目の前にようやく到達した感覚は、昔と変わらないはず。
○二子橋の歩行者:都県境に架かる長い国道橋であるにもかかわらず、歩行者や自転車がたくさん通っていたのに驚いた。今も街道の機能が続いているのだ。
○二子・溝口の宿場内の古い建物:−
○光明寺から大山街道ふるさと館の間:−
○溝口商店街:お店の口上の札に江戸時代まで遡る歴史あり。古い建物が活かされていないのが残念。
○溝口宿:昔ながらの商店が残っている。各商店の前にある「口上」が面白い。意外と商店が業態を変えていることが面白く感じた。
○溝の口:大山街道を地域の特徴にしようという意思が明示的であり、歩いてきた甲斐があった。
○溝口周辺:大山街道を想像させる古い商家が点在している。
○高津・溝の口商店街:老舗の商店がそれぞれの由来や自慢の商品などを記した口上書を掲げている意気込みに敬服。
7.◆沿道の歴史文化の表示について(史跡や街道について適切に解説がありましたか)評価点(2.40)内訳BBBBBBBCCC
B:旧道沿いには大山街道に関する解説表示が結構あったと思います。
B:都内は新道があるので、表示が少ないのはしかたがない。川崎に入って街づくりを地元の人が頑張っている様子を感じた。
B:都内(世田谷区内)はほとんどなかった。ただ、キャロットタワーでの玉電100年記念展は、往時の様子を実感的に伝えていた。川崎市側は非常に表示が多く、商店街各店に掲げられた口上書も興味深い。
B:川崎市内では表示が充実していたが、溝口神社にも表示がほしい。
B:各所にそれなりにあった。高津区内は積極的だったように思う。大山街道ふるさと館は、もっと資料発掘をして欲しい。
B:二子・溝口の宿場内のところどころにあった大きな案内板は、かなり充実していると思います。ただ、もう少し渋い色調にしてほしかった。同じく、歴史あるお店の店先に口上を掲げていたのは良いアイデアです。
B:大山街道の案内が比較的多い。高津区内も多い。
C:表示はあるが、あまり詳しい説明がない案内が多かった。
C:特に過不足は感じませんでした。
C:あまりなかった。
8.◆今回の企画についての感想など(自由記入)
○いよいよ神奈川に入って地元に来た感じがしました。次回もよろしくお願いします。(K.I)
○旧道沿いの商店街や国分寺崖線付近は、見るべきものが多かったと思います。二子橋も沢山の人が歩いていて多摩川の風景を楽しめました。お昼は旧商店街で、3時休憩は地元の和菓屋さんでできるともっと良かったと思います。(M.F)
○寺社は少なかったが、沿道に古い商家が点在している地域があり、江戸時代が偲ばれた。また、川崎市内では、積極的に大山街道をアピールしており好感が持てた。(S.K)
○まず、高津区にようこそお越しくださいました。なじみのある溝ノ口が終点だったので、久々の参加でした。懇親会の会場選びは勉強不足のため、申し訳ありませんでした。市内の大山街道は歩いていたのですが、都内は未知の世界だったので興味深く歩くことができました。(T.I)
○生活工房ギャラリーで事前に玉電の映像を見た後、歩いたので当時の姿と現代との対比ができ、大変良かった。谷貝さんの演出には脱帽する。溝の口の酒屋さんも良かったし、伊藤さん手配の交流会場も良かった。今後が楽しみです。(Y.K)
○今回のコースは、246と新道の分岐点(新町)から二子玉川までの区間と、二子新地から溝口までの区間とで評価が大きく分かれてしまう。前者は、歩道も広く安全であるか、歩道はなくても車は少ない。また、古くて雰囲気のあるお店もあれば、洒落たお店も多い。桜新町の人気が高いのは良く分かりました。そういう理由で、評価が難しいです。(T.S)
○瀬田の崖線上から大山の遠景が見えるはずだが、見えなかったのが残念。また玉電の映像を見た直後なので、印象も新たになってよかった。(T.K)
○多摩川を渡ったところでリタイアしたため、川崎市内を歩けなかったことが残念だが、世田谷に残る旧道の風情を楽しむことが出来た。また、国分寺崖線が作る地形による行善寺からの展望は素晴らしかった。ありがとうございました。(M.W)
○今回は「玉電」がテーマでしたね。前回の砧線沿線での懇親会から引き続き、キャロットタワーの集合時に企画展示で勉強し、その映像を記憶しつつ、沿道各地で往時の様子を想像しながら歩くことができました。多摩川を渡ると街の雰囲気が激変したのも、面白かったです。新町の職人商店、高津・溝の口の老舗群はいつまでも残ってもらいたいものですね。特に、高津・溝の口地区の街道まちづくり活動には、声援を送ります。谷貝さん、ありがとうございました。(R.O)
主催者より
今回は、丁度玉電開通100年(1907年3月6日開業)のイベント中で、昭和40年当時の映像を見てからのウォーキングになりました。国道246号沿いは当時の面影はありませんが、新町から瀬田にかけての旧道区間では今でも玉電の軌道跡が道路等として残されており、当時の面影を残していました。
また、多摩川を渡ると急に街の雰囲気が変わり、昔の街道の雰囲気が残されていました。
次回はいよいよ都市部を離れて郊外区間を歩きます。非常にアップダウンの激しい行程になります。途中、「電車とバスの博物館」に立ち寄り玉電の車両を見学します。
←多摩川と野川合流部河川敷での集合写真