旧街道ウォーク317★大山街道[その2]「三軒茶屋〜(旧道)〜二子玉川」活動報告
【日時・天候】2007年2月24日(土)11:10〜17:00 晴れ
【コ ー ス】三軒茶屋 → 若林 → 駒留八幡神社 → 代官屋敷・郷土資料館 → 上町 → 世田谷城址 → 弦巻 → 用賀 → 瀬田玉川神社 → 二子玉川(兵庫島)(約7km)
【参 加 者】○谷貝等、岩田清、△梅原直美、大竹亮、片桐拓朗、加藤栄子、加藤伸子、北橋伸一、斎藤健一、清水俊哉、高梨健一、千川明、長澤純一、仲田光二、古里実、水谷晴子、脇野真澄、脇野陽子(18名) (○は主催者、△は一部区間参加)
【概況説明】
大山街道(矢倉沢往還)第2回は、風の冷たい冬晴れの中、三軒茶屋を出発し世田谷通りを西へ向かいました。江戸五色不動の1つである目青不動に立ち寄った後に、駒留八幡神社へ寄り道し、その後通称・世田谷ボロ市通りへ。ここで食事休憩、代官屋敷+郷土資料館を見学し、その後に旧街道をはずれて世田谷城址へ。再び旧街道に戻り、世田谷通りをはなれて弦巻から用賀にかけての旧街道(旧鎌倉街道と重複)を進みました。その後、用賀駅前とビジネススクエアを抜けて玉川台1丁目から細い旧道へ入り、瀬田玉川神社へ。ここから国分寺崖線を一気に下り、玉川大師の珍しい地下霊場を見学し、二子玉川商店街を抜けて多摩川・兵庫島で終了となりました。
【評価結果】
今回の区間は前半が主要道路、後半が狭い旧道の区間でしたが、歩行の安全性と沿道景観の美しさについては、低い評価になりました。特に後半の旧道区間で、安全性の評価が下がったためです。一方、沿道施設の魅力についての評価は高く、郷土資料館、神社、寺院などが好評でした。また、歴史文化の表示については評価が低い結果となりました。総合的には平均よりやや高い評価点(3.40)となりました。
【参加者の評価結果】
1.◆歩行時の安全性(危険を感じないで歩けるか) 評価点(2.60) 内訳ABBBBBBCCC
A:街道としては歩道もしっかり整備され大変歩きやすかった。居住地に入ると、話には聞いていたが世田谷の道は判り難いと、実感しました。
B:歩道のない道は交通量が少なく歩き易かった。
B:世田谷通りには歩道があったが、その先、ボロ市通りから用賀までの道は歩道がなく、車の通り抜け道となっていた。二子玉川商店街は歩行者天国で楽しく歩けた。
B:危険な場所は少ないが、狭い歩道に自転車が通る所が多い。
B:用賀周辺はぬけみちになっているためか、車が多かった。
B:上町から用賀の区間が、歩道がないにもかかわらず自動車交通量が多く危険を感じた。
B:世田谷通りは歩道が整備されていたが、道標〜用賀はやや危険。
C:世田谷通りは歩道があるので、まあ、安全に歩けた。世田谷通りから二子玉川までは、歩道がなくて交通量の多い部分がかなり多かった。そのため、自動車を常に気にするような状況が度々あり、危険を感じた。
C:歩道のないところは車を気にして歩くことになりました。
C:人や自転車が多く、安全とは言えない。
2.◆沿道景観の美しさ(目に入る風景は美しいか) 評価点(2.80) 内訳AABBBBBCCC
A:商店街、住宅地、寺社、集合住宅など変化に富んでいて、歩いていて楽しかった。
A:世田谷通りとボロ市通りのレトロな雰囲気と、用賀から先の神社仏閣の多い住宅地が特に良かった。
B:葉の全部落ちたイチョウ並木もかなり立派。居住地の家々には,梅、ヂンチョウゲ、サンシュユなどの花が咲き、春まぢか。だけど強い北風で寒かった。
B:地形に上下があり、樹木の多い場所もある。
B:都市部にもかかわらず、比較的緑が多く残されていた。
B:住宅地内の緑が比較的多く、小奇麗なちょっと立ち寄りたくなるようなお店もあって、まあまあ良い。
B:上町を過ぎると、緑が多い落ち着いた雰囲気の住宅地であった。街道らしい景観は少ないが、玉川神社からの眺望はすばらしい。
C:沿道景観としては見るべきものが少なかったように思います。
C:雑然とした印象。
C:多くの部分が幹線道路であり、マンション等が立ち並ぶつまらない景観だと思う。幹線道路をはずれた区間では、梅の花も目に付き美しい風景があった。
3.◆沿道の魅力施設(立ち寄りたい場所が多いか) 評価点(4.40)内訳AAAAAAABBB
A:さすがに旧街道、神社仏閣を始め文化財は豊富で興味深かった。
A:寺社も多く、見所が多い。また、郷土資料館も魅力的だった。
A:神社や仏閣、資料館など立ち寄りたい場所は多いと思った。
A:世田谷代官屋敷、世田谷城址、玉川神社、玉川大師、兵庫島など、見どころが多い。
A:当時のままに残してある世田谷代官屋敷が良かった。
A:距離は短いが、沿道に施設が多く楽しめる。
A:前半の世田谷通りは興味をそそったし、後半は神社仏閣と見所が多かった。
B:神社やお寺は多いと思う。郷土資料館もよい。
B:目青不動、世田谷代官屋敷、国分寺崖線、玉川大師など見所は結構ありました。
B:そこそこ見所はあった。
4.◆総合評価 評価点(3.40) 内訳AAABBBBBBC
A:沿道景観が、歩くにつれて次々と変わり、見所も多く、最後には国分寺崖線や多摩川からの雄大な展望ものぞめ、充実した内容の1日だった。
A:約7kmとなっていましたが、わき道へ入ったりして各場所で時間をかけて見学できたし、最終も予定時間に終了でき良かったと思います。
A:特に後半は神社仏閣が多く、街道の魅力にあふれていた。
B:比較的緑が多く、立ち寄りたい場所も多いので。
B:本場「世田谷」の歴史探訪が楽しめる。
B:世田谷城址や代官屋敷など武蔵野面から国分寺崖線を下り、野川、多摩川べりまで地形と歴史をたどれるコースでした。
B:一部景観が単調な区間もあるが、見所が多く楽しく歩けた。
B:世田谷通りは今ひとつだが、そのあとの旧道区間は歩くのにもよい。
B:みどり豊かな住宅地の中を快適に歩くことができる。武蔵野台地の地形を実感でき、貴重な体験である。
C:街道としては魅力に乏しかった。
5.◆特に印象に残ったところとその理由(いくつでも)
○田中陶器店:三軒茶屋の名前の由来の一軒が残る。
○目青不動:喧噪の繁華街から一歩入るだけで、落ち着いた空間が現れる。
○常盤塚:他の側室達に妬まれて悲劇の死を遂げた常盤姫の伝説で女の嫉妬の怖さ男の愚かさを感じた。
○世田谷4丁目にあった丸型ポスト:木の電信柱と並んでいて、レトロな雰囲気。
○世田谷区代官屋敷跡:見事な茅葺の家と「さんしゅゆ」など珍しい植木が残る。
○世田谷区郷土資料館:世田谷吉良氏の系図など世田谷の歴史を学べた。
○世田谷代官屋敷と郷土資料館:ここの郷土資料館に限らず、後世に伝えるべきことをきちんと伝えるための施設の大切さを、最近強く感じている。代官屋敷だけでなく、郷土資料館の建物も歴史を感じられるような古さになってきているのが良かった。
○世田谷代官屋敷・郷土資料館:無料でこれだけの歴史を感じる施設を開放しているのは、さすが世田谷区と感心しました。
○郷土資料館: 実は初めて入りました。展示は地図が多く好印象でした。
○大場家住宅主屋表門
○世田谷代官屋敷
○世田谷城址
○世田谷城址:こんなところに城があったとは知らなかった。
○世田谷城址:良い公園として残っている。
○道中咲いていた沈丁花、モクレン:春が目前に来ているのを実感。
○矢倉沢往還古道
○旅人の像:昔の旅人がちょっと一服とキセルをくわえて休んでいる姿に、ユーモアがあるなと思わず笑みがこぼれた。300年後にこの旅人の像を眺める我々のような旧街道歩き人を想像すると、とても愉快な気持ちになった。ちょっと残念だったのは、誰かがキセルの先のほうを折り取ってしまっていたことです。
○昭和薬科大学跡地開発:公開空地としての歩道の整備と樹木の残し方が良い。
○旧昭和薬科大学:鎌倉街道(大山街道)と品川上水の交差する要衝の地にあった。跡地に建つ集合住宅のデザインレベルが非常に高い。
○用賀駅:地下鉄駅は拠点性に乏しくなりがちだが、世田谷ビジネススクエアと一体化して地域の中心を創っている。
○瀬田の寺社群:寺社が郊外移転して瀬田・玉川付近に多くあること。
○玉川神社:国分寺崖線の際に位置し、境内から多摩川を越えてはるか彼方まですばらしい見晴しである。
○瀬田玉川神社:急な国分寺崖線の上に建っているのに驚嘆。
○瀬田玉川神社:高台からの眺め。遠景が見えればさぞよい眺めであろう。
○カトリック瀬田教会周辺:閑静な住宅地。歩き回ってみたかった。
○玉川大師地下霊場:東京にこのようなところがあるとは知らなかった。幽玄を感じさせる地下仏殿である。
○玉川大師の地下霊場:暗黒の世界が体験できた。日頃忘れていた感覚が呼び起こされたようだった。
○玉川大師:真っ暗な地下霊場にとまどった。
○玉川大師:あの場所にこのような地下空間があるのは驚き。造った頃は何もない田舎地域であったであろう。
○玉川大師:地下霊場の暗闇を歩く体験は初めてで新鮮でした。
○玉川大師の地下遍照金剛殿
○玉川大師:遍照金剛殿(地下霊場)は真っ暗で肝を抜いたが、娘も一緒に参拝ができたことは、ありがたいこと。
○国分寺崖線:今でも見事な見晴らしが残っていて良かった。
○二子玉川商店街:駅前に負けずに元気に頑張っている。歩行者天国はありがたい(美味しそうなパンをたくさん買ったらおまけしてくれた)。
○砧線跡地:かつての電車線路の記憶が遊歩道として残されているのが良い。
○多摩川:夕日に映える広い空間は気持ちがいい。
6.◆江戸時代や街道らしさを感じたところとその理由(いくつでも)
○目青不動:江戸五色不動の一つであり、境内のしつらえに基本が感じられた。
○駒留八幡神社:広い境内と立派な樹木が印象的。
○常盤塚:住宅街の中に結構広い空間を設けて塚が保存されていることに驚きました。花も供えてあり、地元で大切にされているのが解りました。
○蛇崩川付近:手前の大規模マンション開発の敷地内に並木が残されていた。
○矢倉沢往還古道:なんとなく面影というか雰囲気が感じられた。
○世田谷郷土資料館:展示・解説が解り易くとても良かった。郷土史への思い入れを感じました。
○世田谷代官屋敷周辺:車も少なく、落ち着いた感じがした。
○世田谷代官屋敷:茅葺き屋根の管理が素晴らしい。
○代官屋敷:庭木の種類が豊富で、つぼみが綺麗だった。
○道標:資料館に集めてしまうのはやめて欲しい。
○旅人の像:街道に関連した像であった。街道の当時の様子を想像しやすかった。
○弦巻周辺:立木が残されており、古い家も点在していた。
○弦巻から用賀にかけての道筋:街道の雰囲気を保っている。
○弦巻地区:幅員が狭い一方通行道路になり、周りに緑が多くあった。
○用賀の鎌田酒店:堂々とした黒地に金文字の立派な看板が目を引いた。
○後半の神社仏閣の数々:街道の象徴。
○瀬田玉川神社の下の道:急坂にかすかに街道情緒が感じられた。
○瀬田玉川神社:高台からの眺めがよい。多摩川が大河であることを再認識しました。
○玉川大師:地下霊場の存在に驚きました。異空間を創造した住職の発想がすばらしいと思います。
○環八から二子の渡までの道:神社、仏閣が多く、遥かかなたを見渡せる国分寺崖線があるので。
○兵庫島:南北朝時代の新田義興ゆかりの逸話が残るとは、中世鎌倉街道を継承した道であることを感じさせる。
7.◆沿道の歴史文化の表示について(史跡や街道について適切に解説がありましたか)評価点(2.33) 内訳BBBBBBCCC
B:適切な解説があった。
B:特に不満を感じるようなことは無かった。
B:寺社については表示が多かったが用水についても解説がほしい。
B:所々に、説明板や過去の道標があったので、まあまあ良いと思いました。ただ、郷土資料館に並べてある道標は、元あった場所のそばでいいから移設できないのでしょうか。本来の場所とは関係のない敷地内の屋外に保存するのなら、やはり、元の場所近傍でもいいから本来の役割をまっとうさせ続けるべきだと思います。
B:街道と無関係の解説などがあり、もう少し街道の案内があるとよい。
B:史跡の解説は適切だったが、街道の解説は少なかった。
C:史跡や街道全体としては、適切な表示は少なかったと思う。その中で、旅人の像は、直感的に当時をイメージできた。こういう表示方法は、一般人にもわかりやすいので良いと思った。
C:物足りなさを感じた。郷土資料館前に移転した道標は、せめて元の位置に写真又はレプリカと解説がほしい。
C:表示、解説は比較的良くあったと思います。しかし、道標を郷土資料館に集めてしまうのはどうかと思います。破損が心配であれば、レプリカだけでも現地において欲しい。
−:あまり表示は多くなかった。
8.◆今回の企画についての感想など(自由記入)
○事前に良く調査され、わかりやすい解説も添付していただき感謝しています。玉川大師の地下遍照金剛殿の暗闇体験は貴重でした。有難うございました。(K.I)
○おかげさまで世田谷区について多くを学ぶことができました。(J.N.)
○街道風?がとても冷たかったが、見所が多く楽しく歩けました。玉川神社が思いの外高台にあり、世田谷が台地であり、多摩川が長い年月をかけて台地を削っていたことを再認識しました。(S.K)
○かつて住んだことがあり、また、現在の勤務地である世田谷区は馴染み深いものがあります。上町から南側はかつて歩いたはずですが、あまり記憶がありませんでした。大山街道旧道は、遠回りのルートのように思えましたが、川筋を避けて通っていることがわかり納得しました。(T.K)
○やはり、246のような現代の大通りから外れた形で今も使われている旧街道は、昔が思い起こされて歩いていて楽しいですね。(T.S)
○風が強い日でしたので、なおさら狭い旧道や住宅街を歩くとほっとしました。国分寺崖線は緑を残しているだけでなく、玉川大師の地下霊場をも生み出していることが印象的でした。(M.F)
○東京山の手の自然地形を実体験できる企画でした。途中の烏山川や蛇崩川、谷沢川ではゆるやかな谷だったのに対し、最後の多摩川ではかなりの高低差を一気に落ちる急坂でした。それから、懇親会の玉電蕎麦屋(?)も楽しかったです。谷貝さん、凝った企画をありがとうございました。この旧道と新道の両方を歩くという企画は面白いですね。今回は住宅地の中の道が多かったですが、次回はどうなるのでしょうか、楽しみです。(R.O)
○天候は良かったのだが、強風のため体感気温は低く感じられる中、見所が多く、楽しんで歩くことができました。どうもありがとうございました。(M.W)
■主催者より
風が強く、最後の多摩川の兵庫島公園では日も傾き、寒さが身にしみましたが、立ち寄り箇所が多く、特に世田谷の歴史の勉強を楽しめた街道ウォークではなかったかと思います。大山街道の旧道は、武蔵野面上の長い河川の谷を避けるように尾根伝いにルート取りしていることが良くわかりました。次回は、新道ルートを歩きます。丁度3月6日で開通100年を迎える玉電ルートを歩きます。(谷貝等)
←駒留八幡神社前での集合写真