旧街道ウォーク313★日光御成道[その6]「岩槻宿〜和戸」活動報告
【日時・天候】2006年10月29日(日)11時〜17時(オプション9時半〜11時)、 晴れ
【コ ー ス】 岩槻駅→願生寺→岩槻区役所→時の鐘→浄安寺→久伊豆神社→龍門寺→慈恩寺→相野原の一里塚→宝国寺→往還橋(隼人堀川)→下野田の一里塚→鷲宮神社→国納橋(備前堀川)→和戸駅(約11km)
*オプションコース:岩槻駅→法林寺→愛宕神社→願生寺→遷喬館→鈴木酒造→裏小路→時の鐘→岩槻城黒門→岩槻公園→浄安寺(合流)
【参 加 者】磯田尚子、岩田清、大竹亮、梶川義実、城戸靖彦、児山文一、高梨健一、竹沢文夫、千川明、長澤純一、△橋本修、◎古里実、山川紀子、山田常圭(14名、◎コーディネーター、△部分参加)
【概況説明】
日光御成街道/第6回は、天気予報に反して秋晴れのなか、岩槻城下から和戸まで、11kmを歩きました。
今回はオプションとして岩槻城下を巡るコースもあり、なんと9時半の集合時間には10人もの参加者が集まりました。
総勢14人となった一行はまず、昼食。
これからの長距離を歩き通すための腹ごしらえです。
その店のお客さんから、「慈恩寺は良い」との話を聞き、本来の街道は大きく離れ歩行距離も伸びるのですが慈恩寺に行くことにしました。
城下を出るまでには久伊豆神社や龍門寺を訪問し、途中、下野田の一里塚では江戸時代の旅人の感慨にふけりました。街道沿いにはぬれせんべい屋があり、各自せんべいをほおばりながら休憩しました。
暗くなるにつれ、だんだん口数も少なくなり、無事、夕闇の和戸駅に着きました。
【評価のまとめ】
今回のコースはおおむね歩道が整備されていたため、過去数回に比べ高い評価を得ています。
また、歴史性豊かな神社仏閣や街道らしさを示す一里塚をはじめとする遺構も随所にあり、距離は長かったのですが街道歩きを堪能できました。
これを反映し、評価も高くなっています。久伊豆神社や慈恩寺は中世からこの地に存在しており、御成街道以前にもこの道が成立していたことを示しているでしょう。
地域の人々には、こうした歴史を踏まえたふるさとづくりをして欲しいと思いました。
1 安全性(危険を感じずに歩けるか)評価(2.8)内訳ABBBBBBBCC
A:歩道と車道が分かれている。
B:岩槻市内を出るあたりと最後の和戸付近をのぞき、おおむね歩道があった。交通量もそう多くない。
B:ほとんどの区間で歩道があった。
B:一部歩道が無くなったり(国納橋?)、片側しかなかった部分も、ありましたが、全体としては歩きやすかった。
B:歩道も比較的整備され、歩きやすかった。
B:概ね歩道があり、歩きやすかった。
B:歩道の有るところが多くほぼOK。
B:一部の区間歩道が無く歩きづらい所があった。
C:最寄の駅周辺近くになると、歩行者道が作られていますが、駅から離れるに連れて、歩道が無くなり危ない所が多々有りました。
C:和戸駅踏切近くの道は、自動車にひかれそうで、気が気でない(夕方は恐怖)。全体に、自動車の通過は別として、人気が余りないようで、防犯上やや不安。
2 快適性(気持ちよく歩けるか)評価(3.4)内訳AAABBBBBBC
A:空気がよくて、景色が美しい(特に、遠くまで続く田畑や屋敷林)。
A:街道というより、城下町として武家屋敷の雰囲気があり、大工町通、裏小路、江戸小路、大手口、諏訪小路と大変面白かった。
A:郊外部分が多く、快適であった
B:農家の生垣や田園風景に心が休まるが、全体に主要県道(幹線道路)であり、やや趣きに欠けるのが残念。
B:少し汗ばむ気温の上昇でしたが、実りの秋を目にしながら気持ちよく歩けました。
B:交通量もそれほど多くなく、気持ち良く歩けた。
B:旧街道に面した家に生け垣が多く歩いていて気持ちがよい。
B:交通量が少なかったこともあり、快適に歩けた。
B:車が多い。
C:街道そのものは自動車幹線道路となっており快適ではない。
3 沿道の魅力(立ち寄りたい場所が多いか)評価(3.6)内訳AAABBBBBBB
A:城下町、人形の町、各処に歴史を感じる、たたずまいだと思いました。
A:岩槻城下は見所が多かったし、久伊豆神社、慈恩寺、下野田の一里塚など見所が多かった。
A:歩いてみて初めてわかったが、かなりの歴史資源があるので相当に古い街道である。
B:寺社などの史跡に静かな時間が流れていた。古い建物が保全されている通りは、改めて散策したい。忘れ物を届けてくれた親切な手焼きぬれせんべい屋にも感謝。
B:岩槻城下の史跡、立派な寺社、両側に残る一里塚など、見どころが多い。
B:埼玉自然百選に選らばれた神社や、平安初期の寺などが有りましたが、全体的には少なかったように思えます。
B:大きな寺が数ある
B:生け垣等が良く整備された家が結構あり、緑豊かである。
B:多くの寺や神社に歴史的遺産が残っていた。
4 総合評価 評価(3.4)内訳AABBBBBBBB
A: オプションで岩槻の市内を散策し、城下町の雰囲気を充分堪能し、街道から離れた名刹が多かったせいか、街道の評価というより、1日歩いた全体の評価としました。
A:見所が多かった。
B:日頃見かける事の少ない田園風景の中を秋の風に乗って長閑なウォーキングでした。オプションも含めて、久し振りに歩いた実感を味わいました。省略も無く、予定通り見学もできて、和戸駅までたどり着いた事は、良かったと思います。
B:全体に主要県道(幹線道路)であったが、多くの史跡や関東平野の田園風景を体験でき、心がなごむ行程であった。
B:慈恩寺付近の農家屋敷が立派であり、慈恩寺台地の魅力を知ることができた。
B:屋敷林のある風景が印象的だった。
B:岩槻市街とその周辺に、多くの遺跡が残っており、良かったと思う。
B:久し振りに長距離を歩いたが無事に歩けて良かった。
B:距離は長かったが、歩いてみると多くの遺構があり、楽しかった。
B:
5 特に印象に残ったところ+理由(いくつでも)
○岩槻城跡:お城のある町は風格を感じる。跡地は、今もなお公園として活用されている。
○岩槻城黒門、裏門:往時を偲ばせる。
○時の鐘:大きいのにびっくり。
○時の鐘:昔はこの鐘が城下に響き、時を知らせていたのだと感慨深かった。
○外郭を含む広域岩槻城跡:往時の面影が偲べた。
○愛宕神社:岩槻城大構えを偲ぶことができた。
○人形の東玉:豪華な段飾りから工夫を凝らした変わり雛まで、人形の世界を堪能できた。
○願生寺:茅葺き屋根の本堂、手入れが行き届いた前庭など、気品あふれる姿に敬服。
○願生寺:茅葺きのお寺が岩槻にあるとは知りませんでした。本堂が情景豊か。
○久伊豆神社:神社の中に鶏が飼われているのが珍しく思いました。その隣の金網には優雅な孔雀も、羽を広げてくれなかったのが残念でした。
○久伊豆神社:1400年の歴史を持つ。宮司さんの「越谷の久伊豆神社は200年も若い」という言葉に脱帽。
○久伊豆神社:長い参道、こんもりした樹林、由緒ある歴史など岩槻にふさわしい古社。
○久伊豆神社:由緒ありそうな神社で、参道がかなり長い。樹木も立派。
○久伊豆神社:出雲からこの地に人々がやってきたことの理由やそのときの社会条件を知りたい。
○慈恩寺:平安初期にこの地にこの規模の寺が建立されたことに驚きを感じる。
○慈恩寺台地:屋敷林が美しい。
○三蔵法師の霊骨塔:ウソくさい、、、。
○下野田の一里塚:完全な形の一里塚が良く保存されていた。
○下野田の一里塚:両側共に残る珍しいもの。
○遠くの屋敷林:樹木は土地の記憶を感じさせる。
○焼きながらぬれせんを作る煎餅屋
6 街道らしさを感じたところとその理由(いくつでも)
○相野原付近の杉並木:残り少なくなっているのが心配です。
○瀕死だけど、杉並木:ぺなぺなな街路樹とは風格が違う。
○下野田一里塚:西ヶ原以来、両側に塚が残る一里塚に遭遇した(最近の道路拡幅で少し移設したように見えるが・・)。
○下野田の一里塚:道を挟んで両脇に残っているのが珍しく、沿道に残る数少ない貴重な一里塚でした。
○下野田の一里塚:ほぼ原形を保っているのがとても珍しい。
○下野田の一里塚:街道の両脇に二基残っていることがうれしく感じました。
○下野田の一里塚:良くぞ残ってた!という感じ
○下野田の一里塚:道の両側に盛り土をし、榎を植え、完全な形で保存されている事。
○下野田の一里塚:両側共に残る。
○道標:今回は石の道標が多くあったように思う。
7 最も江戸時代を感じたところ+理由(一つだけ)
○時の鐘:昔はこの鐘が城下に響き、時を知らせていたのだと感慨深かった。
○時の鐘:日に12回も叩き、時刻を知らせていた点。
○時の鐘:享保5年改鋳との由。
○岩槻城跡:時の鐘、黒門、裏門、新曲輪跡などを辿ることが出来るため。
○街道から見える白壁の蔵:豊かな街の魅力がある。
○往還橋(義理橋):義理橋の名が江戸時代の殿様行列と庶民の関係を痛烈に表現している。
○白岡:まばらでは有りましたが、杉並木が残っていました。
○下野田の一里塚:道の両側に盛り土をし、榎の木陰で汗をふき一息入れている往時の旅人の姿が偲ばれる。
8 沿道の歴史文化の表示について
○史跡の説明は良くできていると思いましたが、街道の説明はあまり見かけなかった気がします。
○岩槻城下は小路や通りの名前と解説もあった。勝田家文書、岩槻区役所前の一里塚の解説も発見できてよかった。相野原の一里塚は表示がなかったので見落とした。
○史跡についての表示はあったが、街道についてはあまり見あたらなかった。
○街中は表示されていました。
○今回は適切な表示が多くあった。
○まあまあ整備されていた。
○あったと思う。
○あまり、解説がなかった気がする。
9 岩槻城下町について 評価(3.0)内訳BBBBB(オプション企画に参加された方等)
B:オプションを案内して頂いた古里様有難うございました。城跡公園の中で、700本?を超えるらしい桜の木が縁取る朱色の八橋を渡した池がとても素敵でした。毎年4月29日に琴の音が流れる中、この池に願いを込められた雛が浮かぶそうです。桜の季節に、今度は行って見たいと思います。今日、岩槻の人形供養がニュースで流れていました。公園の中で見ました人の文字を表したあの供養塔が映っていました。
B:城下の数多くの寺院、城跡をたどることで、元荒川を自然の堀とし、岩槻台地と入り込む沼を城内とするスケールの大きさを感じることができた。
B:遷喬館や時の鐘やお寺、城跡等見所が多い。武家屋敷のたたずまいも残っている。随所に解説があり、住民の町づくりの意欲も感じる。城郭の保存がいま一つなのと、街道沿いに古い家がないのがAを出せない理由。
B:町には多くの歴史的遺産が残っており、城址公園も広くて美しく、良いところであるが、本丸跡など城そのものの遺構が少なく、少々物足らなかった。
B:城や街道の町並みはほとんど失われているが、古寺社や史跡などがたくさん残り、人形の伝統も健在で、藩校などの資源の活用や市宿通りのまちなみ整備も始まっていることから、今後のまちづくりで資源が発掘され磨きがかけられることを期待したい。
10 今回の企画についての感想など(自由記入)
○多くの遺跡を見学出来て大変良かった。(橋本修)
○岩槻が徳川親藩の城下町とは知りませんでした。平凡な田舎町と思っていました。失礼致しました!(竹沢文夫)
○岩槻城下を既に見た人とそうでない人で集合時刻を分けたのはよかったと思います。慈恩寺への道標の場所で、近道を行くという判断もよく、おかげで、私は街道も歩き、慈恩寺にも参拝することもできました。(長澤純一)
○毎回思いますが、古里さんが大変気を使ってくださって、街道から離れた名所古跡等、おりこんでくださるので、大変興味深く、感謝しております。ただ、その分時間に追われて、そのほうにも気遣いされ、申し訳なく思います。ただただ感謝の気持ちです。(岩田清)
○前回閉店で、見られなくて残念だった鈴木酒造の資料館を見学でき、酒造りの道具の中に、きつね・たぬき・と、名前が書かれていた桶の様な道具が印象的でした。時の鐘の最中に、焼きたての濡れ煎餅に、食欲の秋を満喫?鈴木酒造で、求めたお酒のお味は皆さん如何でしたでしょうか。(山川紀子)
←鈴木酒造の小屋裏
○せっかくたくさん歩いても、後であんなに飲み食いしてしまっては、医者もあきれるかも。(磯田尚子)
○私は朝のオプション(岩槻城下町巡り)には参加しなかったのですが、それでもたくさん歩いてかなり疲れました。しかし、広大な埼玉の田園風景や点在する集落の風格あるたたずまいは、歩く元気を与えてくれました。夕暮れ時、ローカル線風情の小さな和戸の駅に着き、やってきた半蔵門線直通急行中央林間行の電車を見たときに、ようやくはるかな旅の実感がわきました。次回は最終回、距離も短いのでがんばりましょう!(大竹亮)
○オプションツアーから参加した皆様の健脚ぶりには敬服いたします。岩槻のそばやでの地元の人との会話も楽しいものでした。ぬれせんべい屋に極意を教えた銚子の職人も太っ腹です。次回はその銚子が河口の利根川まで達します。(梶川義実)
◆コーディネーターより
○万歩計は4万歩を超えていました。腰痛の私には皆さんの健脚ぶりがまぶしく感じられました。今回のコースでは、慈恩寺台地の屋敷林等の豊かな緑、下野田の二基の一里塚など新たな発見があり、歩いて街を見ることの意味を再認識できました。(古里 実)
←慈恩寺での集合写真